眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、ボトックス治療
眼瞼痙攣とは
眼瞼痙攣は、自分の意思に関係なく、両眼の周りの筋肉がかってにけいれんし、眼が開けにくくなる病気です。
これは脳から正しい指令が伝わらず、眼の開閉がうまく機能しなくなるため起こります。自覚症状として「まばたきが多い。」が初期に出現する事が多くみられます。しかし、比較的急に「目が開けにくくなった。」「目を開いていられない。」という症状に気づく例もかなりあります。
このため、運転が困難になったり、人や電柱にぶつかったりすることもあります。その他「まぶしい。」「眼が乾く。」「眼がショボショボする。」などドライアイに似た症状も多くの人で見られます。
眼瞼痙攣には本態性(原因が不明なもの)、Parkinson病などに伴う症候性、抗精神病薬などの 神経系に作用する薬剤が原因となる薬剤性眼瞼痙攣があります。
薬剤性眼瞼痙攣
抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬などの神経系に作用する薬の服用により眼瞼痙攣が発生することが知られています。
神経系に作用する薬剤
1)抗精神病薬(メジャー・トランキライザー)
2)抗うつ薬
1.三環系、四環系抗うつ薬
2.SSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬)
3)抗不安薬(マイナー・トランキライザー)
これらの薬剤を1カ月以上内服している既往があり、眼瞼痙攣が発生した場合は薬剤性眼瞼痙攣の可能性があります。上記のほか、睡眠薬でも眼瞼痙攣が発生することがあります。
但し、抗うつ薬の
2.SSRI(選択的セロトニン再取込み阻害薬)
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬)の単独投与では
薬剤性眼瞼痙攣の発生は起こりにくいと報告されています。
諸外国に比べて非常に多いことが報告されており注意が必要です。
眼瞼痙攣の治療
ボツリヌス療法
緊張している筋肉に緊張をやわらげるボツリヌストキシンを注射する治療です。 詳しい内容はBotox.JPを参照してください。
この治療法は高い有効性が報告されておりますが、効果の乏しい例、また逆に何回かの治療で眼瞼痙攣が寛解して注射が不要になる例もあります。
手術
眼瞼皮膚切除、眼輪筋切除、また加えて眼瞼下垂症手術を併せて行う場合もあります。 しかしながら手術後にもボツリヌス療法の継続が必要なこともあります。
片側顔面痙攣
この症状がある場合は、MRIによる画像検査が必要です。ボツリヌス毒素療法の適応がありますが、Janetta手術という脳外科手術(顔面神経減圧手術)が行われる場合もあります。ボトックス治療に関する情報はBtx-a.jpをご覧ください。