低濃度笑気ガス麻酔
この度、当クリニックでは低濃度笑気ガス麻酔を導入しました。長野県内では初めての導入となります。
この麻酔法は近年眼科領域において使用が広がっており、白内障・緑内障・硝子体手術・眼瞼手術など幅広い手術において、患者さんの緊張・痛みを和らげる目的で使用されます。
眼科手術は、そのほとんどが局所麻酔で行われますが、中には緊張の強い患者さんもいらっしゃいます。ご希望のある患者さんにはこの麻酔を使用し、より安心した状態で手術が可能となります。
<方法>
鼻から酸素と一緒に笑気を吸入します。少し甘い香りがします。2、3分でリラックスして落ち着いた状態となります。目の周りを消毒している間に、効果が出て手術中もゆっくり鼻から呼吸を行っていただくことで、持続します。手術終了後に酸素だけの吸入になります。2、3分で麻酔の効果が無くなります。
<副作用について>
笑気ガスは体内で分解されることなく、吸入を止めるとすぐにそのまま排出されるので、呼吸器系、肝臓、腎臓、代謝系に負担がかかりません。ただし、妊娠初期の方、鼻閉塞のある方、気胸の方、ビタミンB12欠乏症の方などには適していません。非常にまれですが、吐き気、四肢の脱力などの症状を感じる方がおられます。
<笑気麻酔の利点>
鼻腔から吸うことで、痛みを伴わずに精神的・肉体的にリラックスした状態になります。意識はある状態で、鎮静作用・睡眠作用により安心した状態になります。吸入を止めた時点で麻酔の効果が消え、通常通り動くことが可能です。食事や安静等の制限はありません。他の臓器にも影響はなく、安全性が高い麻酔法です。