3月18日(土曜日)、東京都内で開催されたオリンピア眼科病院主催の甲状腺眼症研究会に出席してきました。
「高齢者の甲状腺眼症」という演題でオリンピア眼科病院の船木先生、「Euthyroid Graves’ disease」という演題で伊藤病院の吉村先生よりご講演がありました。
オリンピア眼科病院には日頃からたいへんお世話になっており、今回の研究会もとてもためになるものでした。
甲状腺眼症についてですが、下記のような臨床所見が見られます。
1)眼裂開大 (眼が大きく開いてしまう)
2)眼瞼腫脹 (まぶたが腫れる)
3)結膜の充血・浮腫・上方輪部角結膜炎
4)眼球突出
5)外眼筋(眼を動かす筋肉)が肥大して、複視(ものが二重に見える)
6)角膜の浸潤・潰瘍、重症だと角膜穿孔・壊死
7)視神経症による視力低下
臨床所見に合わせて、TSAb(TSH刺激性レセプター抗体)の値や眼窩のMRIが、活動性の有用な指標になります。
活動期の治療はステロイド治療が中心となります。
病状や重症度によって
1)眼瞼への局所注射
2)テノン嚢内注射
3)球後注射
4)パルス療法(大量のステロイド剤を点滴で投与する、3クール程度)
などの方法をとります。
ステロイド治療は以外では、放射線治療が選択されることもあります。