代表的な眼底の病気をご紹介致します。

代表的な眼底の病気をご紹介致します。
黄斑とは網膜の中心部分であり、ここに孔(円孔)が形成される病気です。この病気になると、中心部分が見えにくくなり、視力の低下が起こります。
現在のところ有効な薬物療法はありませんが、硝子体手術によりかなりの確率で孔(円孔)がふさがり、視力が改善します。この手術では眼の中に特殊なガスを注入し、しばらく伏臥位(顔を下に向けて休む)が必要になります。

網膜の中心部に孔(円孔)が開いています。
65歳以上の高齢者に多く発生し、中心視力を失うことがある難治性の眼底疾患です。黄斑部と呼ばれる網膜中心部に出血や滲出、萎縮が起こり、しばしば両眼性です。
黄斑部に発生する病気として、ポリープ状脈絡膜血管症や網膜内血管腫状増殖などの類似疾患があり、正確な診断にはフルオレセイン蛍光眼底撮影、インドシアニングリーン蛍光造影検査などの眼底の血管撮影が必要になります。治療はなかなか難しいのですが、網膜光凝固、経瞳孔的温熱療法、光線力学療法、手術(黄斑移動術)などがあります。なかでも光線力学療法は2004年に厚生労働省より認可された新しい治療法で、一定の効果が報告されています。

また近年の研究からビタミンなどの抗酸化物質と亜鉛(ミネラル)の摂取により、病気の進行が抑制されたり、視力障害のリスクが改善されることが判ってきました。現在、いくつかのサプリメントが発売されております。
加齢黄斑変性による眼底出血 ボシュロム社オキュバイト
(加齢黄斑変性症に推奨されている サプリメントのひとつ)

加齢黄斑変性の予防に関しては、こちらのコラムをご覧ください。
>>加齢黄斑変性への「抗酸化物質+亜鉛」摂取の効果
糖尿病網膜症は、糖尿病による代表的な眼合併症で、放置すれば失明につながる危険のある疾患です。

単純網膜症、前増殖網膜症、増殖網膜症という病期がありますが、初期には自覚症状がありません。このため糖尿病の方は定期的な検査が必要です。診断には眼底検査が必須であり、必要に応じてフルオレセイン蛍光眼底撮影(眼底の血管撮影)を行います。

網膜症の進展、増悪を抑えるのに最も重要なことは血糖コントロールであり、HbA1cが指標になります。網膜症の進展阻止のための目標値をHbA1c<6.5%と示唆するデータも報告されています。網膜症が一定の病期以上に進展した場合、また黄斑症と呼ばれる網膜中心部の変化が見られた場合は、レーザーを用いた網膜光凝固の適応になります。 硝子体出血や牽引性網膜剥離まで進展した症例には、硝子体手術による治療が必要になる場合があります。


増殖網膜症の1例。硝子体出血も見られます。
網膜剥離は、網膜に破れ(網膜裂孔)が生じて眼球の内壁から剥がれる病気です。初期には飛蚊症(ゴミのようなものが見える。)、光視症(フラッシュのような光が見える。)などで始まり、次いで視野欠損、視力低下を起こします。 網膜裂孔の状態で発見された場合は、レーザー網膜光凝固、あるいは冷凍凝固などの治療で予防できる場合がありますが、一旦網膜剥離に進展した場合は、網膜復位術、硝子体手術などの手術が必要です。

上方に発生した網膜剥離。早急な手術が必要な状態です。
眼底出血を起こす代表的な疾患で、閉塞部位により網膜中心静脈閉塞症と網膜静脈枝閉塞症に分類されます。
この病気は高血圧、動脈硬化といった全身疾患に伴うことが多く、治療には内科的な管理が大切です。
この病気に伴って黄斑浮腫(中心部のむくみ)が発生すると、中心視力が大きく影響を受けます。 眼科的な治療としては、レーザー網膜光凝固が行われる場合が多いですが、硝子体手術の適応になる場合もあります。網膜静脈枝閉塞症では、動静脈血管鞘切開と呼ばれる新しい手技も広まりつつあります。これは閉塞した静脈の圧迫を開放する手術手技です。

網膜静脈枝閉塞症による眼底出血